前回の記事では上手い人と下手な人の差は2つあると書きました。
そして1つめの『マッサージの基本を押さえているかどうか』について詳しく解説しました。
今回は2つめの『疲れているところが分かるかどうか』について書いていこうと思います。
上手い人と下手な人の境界線
正直、『お客様の疲れているところが分かる』ようになって、初めてプロと言えると思います。
筆者がまだ仕事を始めたばかりの初心者のころ、3000人揉んでやっと一人前と言われたことがあります。
3000人というと、週に5日間 忙しい店で働いて2~3年くらいかかります。
そのくらい経った施術者が初心者とどう違うかというと、お客様の疲れたところが分かるようになっているのです。
身体に触ってすぐ分かるときもあれば、ある程度揉んだりしっかり触って気づく場合もあります。
また、触らないでも見てすぐわかる時もあります。
お客様の疲れに気付いて、(ここすごくコッているな。ここをとにかくほぐさなきゃ)と考えられるようになったら一人前です。
初めのころは全然どこが疲れているかなんてわかりません。
そういう初心者の施術者は、習ったことをただやるだけです。
そうなると、どんなお客様が来ても同じ施術です。
それはいかにもマニュアル通りの施術で、お客様の疲れのことなんかおかまいなしにただやっているだけの施術です。
受けているお客様にとっては、(なんだコイツ)ってなってしまいます。
また、やっている施術者のほうも、どこが疲れているのか分からないままにやる施術というのはつまらないものです。
つまらないことは身が入りません。集中力も長くは続きません。
そうすると雑になったり、ミスが出たりします。
疲れているところが分かる人は、(ここだけはほぐさなくちゃ)と感じます。
目的意識をもって施術をしているので、お客様の身体がほぐれてきたときには楽しくなります。
楽しい仕事は身が入ります。
たくさん働いて疲れてきても、充足感があるのでやる気も集中力も長く持続します。
上手い人と下手な人の差というのは、お客様の疲れをくみとれるかどうかなのです。
さらに上級者になると余裕があるので、、、
もちろん、もっとベテランになると見たり触ったり以外にも、お客様の疲れを感じ取る方法を身に付けます。
それはお客様との会話です。
どこが疲れているのか上手に聞き出す余裕が出てくるのです。
初心者はマニュアル通りの「どこが特にお疲れですか?」
くらいしか会話のテクニックはありません。
また、そもそも緊張していて聞き出そうなんて考える余裕もない人もいます。なので、せっかく疲れている場所を教えてもらってもすぐ忘れたり、触ってそれを感じ取れないので、自分の施術が合っているのかどうか不安になったりします。これでいいのかなぁ?肩って言っていたけど、肩のどのあたりかな?なんて考えていたりします。
よく分からないならはっきり「肩のこの辺ですか?」と聞けばいいのですが、それでは自分が下手な施術者だとバレてしまうような気がして怖くて聞けなかったりもします。
初心者施術者にあたらないようにするには?
自分の担当の人が、3年以上の経験があるかどうか。
お客様の疲れを感じ取る腕前があるのかどうか。
それを見抜くのは、普通の人には 難しいと思います。
上手な施術者は、相手を見ただけでも分かったりします。
見ただけで分からなくても、身体に触ってもらったらすぐに感じ取ったりします。
でも、素人の場合はどうすればそこを見抜けるでしょうか?
まずはもし出来るなら、「3年以上の経験がある人でお願いします」と電話予約の際に言う方法があります。
筆者としてはこれが一番良い方法だと思います。
もし、電話予約の際になかなか言えなかった場合は、お店に行って最初の受付などの対応を見ると分かる場合があります。
いかにも緊張でカチコチだったり、自信がなさそうな人、先輩にいろいろ教えてもらっている人はたいてい初心者です。
他の堂々としているスタッフを指名して、下手な人には当たらないように対処しましょう。
あとは、上手な人に当たったら名前と出勤する曜日や時間帯を聞いて、同じお店に行く場合は必ず指名しましょう。
マッサージほど質が重要で、その質が見た目や値段で判断するのが難しいサービスは他にはないのですから。